【6月18日 AFP】カナダ・バンクーバー(Vancouver)周辺で、人間の片足がこの10か月で5本も打ち上げられ、事件なのか事故なのか、国際的にもさまざまな憶測を呼んでいる。

 地元警察によると、バンクーバー郊外のフレーザー川(Fraser River)で16日、通行人が人間の足が浮いているのを発見、岸辺に引き上げ警察に通報したという。バンクーバー周辺で発見された人間の足は、これで5本目になった。

 発見された5本の足の検視は、地元ブリティッシュ・コロンビア(British Columbia)州の検視官が担当しているが、主任検視官のテリー・スミス(Terry Smith)氏によると、世界中のメディアからの取材が絶えないという。

「足だけ流れ着くなんて、みんなの想像力をかき立てることだとは思うけど、注意しなければいけないのはこの足は誰かの大事な人のものだったってことだ。推理小説みたいな扱われ方をするのはいい気分ではない」(スミス氏)

 警察は5本目の足について、履いていた靴の種類やサイズ、性別などの情報は明らかにしていないが、これまでで初となる左足だったということのみを発表している。

 カナダ連邦警察(Royal Canadian Mounted PoliceRCMP)によると、ほかの4本はすべてランニングシューズを履いた右足で、2007年8月から周辺の島などに打ち上げられ始めたという。また、最初の3本の足は男性のものだが、DNA検査の結果では合致する人物は発見されていないという。

 一方、これらの足に関して、犯罪性の有無については依然として明らかになっていない。RCMP関係者も「足が切断されたという証拠は何も見つかっていない。つまり、切断に使った道具の痕跡などは見受けられない」と語っている。

 複数の専門家は、5本の足は、世界のあらゆる場所から潮流に乗ってカナダ西部に流れついたとも考えられると指摘している。(c)AFP/Deborah Jones